「JAMES BURTON LIVE」


2003年7月4日、エルヴィスのヴェガス時代からのバック・ミュージシャンで
リード・ギターのジェームス・バートンが、「銀座タクト」でライヴをやりました。
6月の末頃来日して、7月に入って毎日のように
ライヴのスケジュールが入っていたジェームス・バートン。
18時半開場のタクトでしたが、席は先着順ということもあってお友達のYさんは
何とお昼の12時前に到着。その少し後にOさんが合流。
日頃から親しくさせていただいているYさんとOさんの熱意と優しいお心遣いがあって、
私は遅れて行ったにもかかわらず、最高の席でライヴを観ることができました。
お二人に心から感謝致します。 ありがとうございます!!

場所柄、100人限定というライヴでしたが、会場は熱気に包まれ、
私も初めて観るジェームス・バートンに胸がドキドキしました。
どんなギターを弾くのだろうか?
エフェクター<ギターの音色を変える機材>はたくさん使うのだろうか?
どんな指をしていてどのように弦を押さえるのだろうか?
プレイしている時の表情はどんな感じなのだろうか?
あの頃とテクニックは変わっていないのだろうか?
そして何よりも、どんな人柄なのだろうか?

そして一部の演奏が終わり、いよいよジェームス・バートンの登場。
「この人があのエルヴィスのバックでいつもギターを弾いていた人なんだ!!」
頭の中には「オン・ステージ」の若いバートンの姿が蘇ってきます。
そして愛用のギター「フェンダーのテレキャスター」に指をおいた瞬間、
何ともいえない重厚感のあるメロウな音色が流れてきました。
足元を見ればエフェクターは2つだけ。
一緒に出演した日本のギタリストの方々は、皆さん足元に一大コレクション
ともいうべきエフェクターが並んでいました。
手は思っていたよりも小さく、指もふっくらしていてかわいい!といった感じ。
しかし、その流れるようなフレーズと音色は、
技術の高さに「入魂」が加味された神聖なものだったのです。

一番印象に残っているのはバートンの表情です。
とにかくまわりで一緒にプレイしている一人一人の目を見るのです。
それがすごく冷静で、その場の空気を読みとろうとしているのがわかります。
そして自分のソロになると、
落ち着いた雰囲気の中でグット静かに感情を入れていきます。
「そういえばエルヴィスのバックで演奏していた時も、
バートンの目はエルヴィスの一挙一動をいつも見ていた・・・」
あの時の目の表情を思い出しました。

バートンの息子さんも途中からギターを抱えて登場し、
その時は父親として本当にうれしそうでした。
エントリーされた曲全て、それぞれよかったのですが、
心に残った曲は、みんなでソロをまわした「スチームローラー・ブルース」と
バートンの奏でるギターに一番うっとりした「ラヴ・ミー・テンダー」です。

ライヴの後バートンは観客の方と、一人一人写真を撮っていました。
とても優しい笑顔でフレンドリーに話してくれます。
演奏もさることながら、その温かい人柄に触れて、幸せな気分で帰宅の途につきました。

ジェームス・バートン:James Burton
1939年8月21日 ルイジアナ州ミンデン生まれ。
ギターは独学で習得し、
幼い頃からラジオ「ルイジアナ・ヘイライド」の番組を聴いて
南部の音楽に慣れ親しむ。          
世界中のギタリストに影響を与え、「ミスター・テレキャスター」と呼ばれる。
エルヴィスプレスリーをはじめ、リッキーネルソン、 ロイオービスン、
ジョンデンバー等、数多くのアーティストのリードギタリストとして活躍し、
2001年ロックンロールの殿堂入りを果たした。